大工の話
大工といえば、私達はよく大工さんと親しみを込めてその名前を呼ぶことも多く、私達にも非常に馴染みの深い存在となっています。
身近にいながら、尚且つ建築現場では颯爽とてきぱきと難しい建築仕事をこなす、まさに建築のプロフェッショナルと呼ぶに相応しい大工さんの仕事ぶりに、小さい頃あこがれた人も少なくないのではないでしょうか。
大工さんはこのように常に建築の現場の第一線に携わっています。
そして大工は非常に長い歴史を持っています。
それだけ名前を残していないながらも、日本の建築史上に大工は紛れもなく巨大な足跡を残していると言ってもいいでしょう。
ところでこうして主に建築の仕事に従事し、建築の現場に欠かせない大工ですが、一口に大工と言っても実はいろいろといます。
ここではそうした大工の種類について紹介しましょう。
宮大工という言葉を皆さんは聞いたことがあるでしょうか。
恐らく多少なりとも歴史の好きな人なら、一度でもその名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
皆さんもご存知かもしれませんが、宮大工とは、神社や仏閣の建造、建築等を手下ける大工です。
宮大工という呼称が最も一般的に使われますが、それ以外にも堂宮大工とも、或いは宮番匠という呼称があったようです。
古来の日本では釘を使わないで接木を行うという、現在で考えても難易度の高そうな、伝統的な技法を誇っていました。
宮大工達はそうした技法を伝えていたといわれています。
ちなみに宮大工という呼称の由来は皆さんにも想像がつくでしょうが、寺社を「お宮さん」と言っていたので宮大工と言います。
宮大工と同じようなもので寺社大工があります。
寺社大工と宮大工とは一見同じで、大した違いがないように思えますが、この寺社大工は主に木造軸組構法で寺社を造っていた大工だとされています。
いわば宮大工とは建築の工法が異なっていたということでしょうか。
またこの寺社大工は、江戸時代に町奉行、寺社奉行という行政上の自治の管轄の相違があったために町大工と区別されていました。
建築パース 短納期、高品質な建築パース制作。 まずは作品、価格表をご覧下さい。
番匠
現在の私達にとって、ある意味最も馴染み深い大工の種類といえるのが、家屋大工かもしれません。
一般的な木造住宅の建設における木材や建材の加工、及び取り付け作業を行う大工です。
私達が大工と聞いてイメージする大工の姿に最も近いのが、単純に言えば家屋建築に従事するこの家屋大工でしょう。
また近代においては単なる「番匠」とはこの家屋大工を指します。
宮大工とは異なっていますが、例えば木造住宅の建て方や、さらには屋根仕舞、外部及び内部造作全般の知識や技術に通じ、建築工事一連を取り仕切るバランスのとれた一人親方、職人を指します。
またこの家屋大工は請負大工とも呼ばれ、それぞれの下請け業者の束ねも行っています。
上でも紹介した様に、一般的に私達が大工と聞いて連想し、そして「大工さん」と親しみを込めて呼んでいるのは、この家屋大工を指すことが多いようです。
ちなみに家屋大工以外には木造大工、住宅大工或いは家大工とも呼ばれています。
昔は建築工事において一人の棟梁がいて、それが下の大工、職人をまとめるというイメージがありましたが、最近は建築工事でも分業制が進み、例えば木や建材等の造作を家屋大工や造作大工が行って、その一方でコンピュータを使った自動機械によるプレカット木材の建前を建て方大工が行うといったような住宅建築のパターンも増えています。
またこれ以外も工程、作業も夫々の専門職が行うようになってきています。
また、昔に比べて住宅の建築や改装、リフォーム等を依頼する場合の相手も、以前の家屋大工から、現在は工務店や建設会社へ移ってきている傾向にあります。
従って大工と言えば現在は職人を指すことが多くなっています。